建設現場DX、BIMクラウド基盤を軸に業務プロセス改革を加速

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。ビルディング情報モデリング(BIM)とは、PC上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などのデータを追加し、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用することだという。

建設現場における生産性向上を図り、建設業の魅力向上を実現するために、「竹中新生産システム」による業務プロセスの抜本的な改革を進めている。その中心的な取り組みの一つにBIMを活用したDXを据え、様々なツールを使って作成されたモデルを連携する「オープンBIM」を展開している。竹中工務店は9日、BIMによるDXを一層加速するために、ノルウェーRendra AS社と、「StreamBIM」を用いた技術開発の連携を開始する。

SaaS型の「StreamBIM」ではスマホやタブレットなどでもBIMモデルが見られて、2D図面を含む各種情報のドキュメント管理ができる。その情報を活用し、設計・施工~維持・管理段階までの全関係者のコミュニケーションの円滑化と可視化を実現する。これをすでに50超の建設現場で活用している竹中工務店と、Rendraは、同ソフトウェア基盤と他社のしくみとの連携を強化するための開発を進める。

オープンBIMの軸として使っているSolibriとBCFファイルを介したコラボ機能について更なる機能向上に取り組み、様々なデバイスでの迅速な課題解決を可能にする。BIMデータ管理ソリューション「dRofus」や360度画像管理のHoloBuilderなどとの連携を進め、プロジェクト全体におけるBIMモデルに関連したデータ活用の幅を広げていく。

両社はBIMをより効果的に活用できる共通データ環境CDE(ISO19650-1/-2:2018で定義)の開発にも取り組み、建設業界全体で活用されるエコシステム構築に向けて協力していくという。