脳卒中の画像診断ワークフローに"脳解析"AIソフトを活用

脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患、いわゆる脳卒中は日本国内で年間約30万人が新たに発症。がん、心疾患、老衰に次ぐ死因とされる脳卒中で、年間約10万人が落命している。

厚労省の「平成29年患者調査の概況」と「平成30年人口動態統計月報年計の概況」から上記実状がわかる。脳卒中が疑われる場合には、まず頭部CT画像から出血の有無を確認し、出血がある場合は薬物治療や手術治療が行われる。出血がない場合は、脳梗塞の有無を確認する。それがあると、栄養や酸素が脳内の組織に行き渡らず、脳の神経細胞が壊れてしまうため、早期に治療を開始することが重要である。

脳梗塞は、発症後4.5時間以内に血栓を溶解して詰まった脳動脈を再開通させる血管内治療(静注血栓溶解療法)が有効とされていて、速やかな診断が求められる。夜間ないし救急現場では限られた体制のなかで、医師が出血箇所や梗塞領域(脳の出血状態や虚血領域の評価にはCT画像の高信号・低信号領域を活用)を確認する。医師の負担軽減と、効率的な画像診断ワークフローを実現することが求められているという。

富士フイルムは、AI技術(ディープラーニング)を活用して頭部CT画像から、周辺組織と比較して高信号および低信号領域を強調表示する画像診断支援機能を搭載した「脳解析」ソフトウェアを開発。これを同社の3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」のアプリケーションとして富士フイルムメディカルを通じて5月に発売する。同ソフトウェアを「ITEM2021」に出展する。

梗塞領域を定量化するASPECTSの算出も支援する。「脳解析」ソフトと、「ADCマップ」「パフュージョン」を組み合わせて使うことで、脳卒中の画像診断ワークフローに活用できる機能を一貫して操作でき、効率的な診断ワークフローが実現されるという。同社はこれをAIプラットフォームアプリとしても展開していく構えだ。