医療DX、デジタルプラットフォームに眼科画像AI診断支援を追加

社会環境の変化が激しく、技術革新のスピードが速い。世界がこのような状況にあるなかで、より良い医療を迅速に患者に提供するためには、医療分野におけるデジタル化――AIなど先進的IT(情報技術)の活用を強力に推進していく必要がある。思いを共有しているという。

シーメンスヘルスケアと、自治医科大学発ベンチャー企業のDeepEyeVisionは、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、臨床および医療教育分野における医療サービスの変革と患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を目指す、提携を開始した。今回、医療プラットフォーム「teamplay digital health platform」上で提供されるアプリケーション群に、眼科画像AI診断支援サービス「DeepEyeVision」が加えられる。

オープンでセキュアなクラウドを基盤にした多機能デジタルヘルスプラットフォーム「teamplay」をすでに導入している医療施設は、通信インフラを追加する必要がなく、安全かつ簡便に「DeepEyeVision」の利用が始められる(2021年度中に提供予定)。

AIによる解析と医師による遠隔読影を組み合わせた同サービスでは、医療機関が眼底画像をクラウドシステムにアップロードすると、AIが画像解析を行い、候補となる疾患名を読影医に提示。読影医はそれを参考にしながら、元の眼底画像を観察して診断を行い、その読影結果が医療機関に提供される。読影医不足の解消および診断結果の平準化が可能となる。

へき地を含む日本全体の眼科医療が高度化されるうえ、糖尿病や緑内障をはじめとする各種疾患の早期発見の可能性が高まり、国全体の医療費削減が期待できるという。「DeepEyeVision」は今年3月時点で、自治医科大学附属病院健診センターの他、各地の健診施設(人間ドッグ含む)にて利用されている。