不動産購入前、リノベーションをVRで試してオンリーワンの物件に

2018年秋、全国の空き家数846万戸、空き家率は13.55%となった。空き家の増加は景観や治安の悪化につながり、深刻な社会問題に発展している。

総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」における住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要(PDF)に上記数値が示されている。空き家の増加要因として「魅力的な中古物件が少ない」ことが指摘されているという。PwC Japanグループは今月6日、AI/VR技術を活用した新しい不動産購入のプラットフォーム「Virtual Vintage Residence Lab」の提供を開始した。

これにより、売買マッチングの精度向上を図る。同プラットフォームは、需要が年々増加しているリノベーションをバーチャル空間で試行できる「3Dモデリング、AI/VRの技術による物件の魅力増大」、物件情報提供者にとって確度の高い問い合わせの増加が期待できる「リフォーム概算金額を即時に試算」、オンライン内覧と簡易測量を可能にし、追客業務の効率化にもつながる「リモートワークに対応したツール設計」といった特徴を備えている。

物件購入検討者が壁紙・床材・家具のレイアウトの変更など、カスタマイズを自在に描画できるVRツールを搭載。不動産会社などが持つ豊富な物件情報に、リノベのための商材・建材/インテリアなどの情報を加え、さらにカスタマイズ後のイメージを描画できる形で提供することで、オンリーワンのこだわり物件を求める消費者をサポートする。新たな基盤について、行政や不動産・建材・インテリア業界などと連携に向けて議論を始めているという。

同グループは「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決すること」をPurpose(存在意義)に掲げていて、今回のプラットフォームを活用して物件の隠れた魅力を引き出すことにより、消費者に幅広い選択肢を提供し、空き家問題の解決に貢献することを目指している。