キャンパス内で顔パス決済、学生と教職員2万6千人を対象に

国際的に遅れているという。キャッシュレス決済について、日本では2025年の大阪・関西万博に向けてその比率を40%に、いずれ世界最高水準の80%にするとして、キャッシュレス・消費者還元事業やマイナポイント連携などともに、様々なキャンペーンが張られてきた。

オールジャパンの取り組みを産官学で進める「キャッシュレス推進協議会」が18年7月に設立。同会の調査によると、コード決済提供企業は昨年16社。感染症対策になるし簡便なコード決済は、店舗利用金額・件数ともに伸びているが、期待ほどではないようである――。昨今、実店舗の決済手段は現金、クレジットカード、電子マネーやコード決済など多様化しているという。

近畿大学グローリーは、今月7日から東大阪キャンパス内で、顔認証による手ぶら決済サービス「BioPay」に関する実証実験を行う。大学構内で顔認証決済を実証するのは日本初の試みとなる。同社の顔認証システムは03年来1,000ヶ所超の導入実績があり、同サービスの実証は19年から東京・姫路の社員向けコンビニなどで約500名を対象に実施。今回その範囲を社外に拡大して行う。

7日から9日まで、学生に向けた利用促進イベントを開催する。近畿大学は甲子園球場約6個分の敷地に学生・教職員合わせて約26,000人が在籍している同キャンパスを「仮想の都市空間」と見立て、最新テクノロジーに触れる機会を学生に提供しつつ、新技術の社会実装に貢献する。一方、グローリーはそこで得られたデータを解析し、オープンなフィールドでの実用化に向けた準備を進めていく。

「BioPay」では、スマホでアクセスしたサイトに「顔画像」と「クレジットカード情報」を登録する。これにより、支払い時はタブレット端末に「顔」をかざすだけで決済できる。非接触による決済方法は新型コロナの感染リスクを軽減し、「顔」をかざす行為は不正抑止にもつながるという。