つながる医療・ヘルスケア、装置搭載車両で様々なニーズに応える

いかなる状況でも必要な検査ができ、迅速に安定した結果を得られることが求められる。災害医療のほか、へき地などにおける健診・巡回診療等の需要があり、昨今では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、発熱外来を病棟外に設置したいとの声が高まっているという。

シーメンスヘルスケアは今月1日、患者とドクターが「つながる」こと、いつどこにいても質の高い医療に「つながる」ことをコンセプトに設計した災害医療・発熱外来・健診・往診・巡回診療向けのアドバンストモビリティソリューション「Medical-ConneX」を正式に販売開始した。長年グローバルで培ってきた軍事医療分野でのノウハウや、パートナーシップを結ぶ日本の医療機関との意見交換をもとに、国内で開発したという。

同ソリューションは、大型車両の中にCT装置、免疫生化学分析装置、自動血球装置、血液ガス分析装置、超音波画像診断装置、AI画像解析ソフトウェア、ITクラウドシステム、診療情報管理システム、ベッドサイドモニターなどを搭載――。検査用車両と電源車両を、それぞれ単独で使用したり、用途に応じて他の車両と組み合わせたり、多様なニーズに対応できるデザインとされている。

単独運用~医療機関との連携運用、地域医療連携まで、幅広い需要に応えられるシステム構成を用意している。医療画像管理システム(PACS)接続や電子カルテ接続などを別途追加することで、自施設はもちろん、グループ病院間や地域の医療機関同士の接続連携が可能になる(通信回線やクラウド利用料等は別契約)。

災害医療および救命救急では、特に初動時の適切な対応が重要になるという。同社は「Medical-ConneX」について、救急医療チームを有する医療機関、平時の往診・回診や発熱外来に力を入れる医療機関をはじめ、高齢化・過疎化への対応をする省庁や地方公共団体への導入を目指していく考えだ。