次世代通信インフラ、5G無線ネットワークの同期と安定化を達成する

5Gの商用サービスが先進各国で拡大しつつある。産業・社会インフラを次世代化するための5G通信網は、高速大容量といった特長を備えていて、高性能であるがゆえにセンシティブでもある。

そこで無線クロックをシンクロさせる。ネットワーク同期は、5Gへの移行で一層重要な役割を果たしているという。ルネサスは今月23日、通信用タイミング製品ポートフォリオを拡充し、4Gおよび5G用に、無線シンクロナイザ「8V19N850」と、JESD204B/C規格に対応するジッタ減衰器「8V19N880」及び「8V19N882」を発売し、量産を開始した。

高いクロック周波数に対応しつつ位相ノイズを極めて低く抑えており、ITU-T(電気通信標準化部門)準拠の無線クロック同期を実現するという。8V19N850は、業界初の統合型5G無線同期ソリューションであり、1チップで時刻同期規格・周波数同期規格・データコンバータインタフェース規格準拠の無線同期機能を実現。CPRI/eCPRIからのクロックのリカバリにも対応していて、5GのO-RAN装置での使用にも最適である。

上記ジッタ減衰器は、無線通信、リアルタイムな測定・評価、計測、高精細・高速映像処理などにおける最重要なデータコンバータアプリ向けに、74fs RMSの低位相ノイズとジッタ性能、-90dBと極めて低いスプリアスを実現。最大3932.16MHz(外部VCO使用時は最大6GHz)の周波数をサポートし、16または18の差動出力を搭載していて、高性能、低電圧、低消費電力をバランスよく達成し、1.8V電源電圧にも対応しているという。

同社は、「スモールセルラジオソリューション」と「MIMO無線ソリューション」も同日に公開――。相互に互換性のあるデバイスを使用することで、低リスクかつ迅速な市場投入を実現し、セルラーサービスの広帯域化に対する需要の増大に応えるとのことだ。