コールセンターDX、人工知能ツールとプロセス自動化の組み合わせで

生産年齢人口の減少が続いている。この国では近年、働き方改革が推進されていて、IT(情報技術)の活用による業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)機運が上昇――。新型コロナウイルスの感染拡大により、各方面でDXの遅れが浮き彫りになった。

コロナ禍により入電数が増加した。コールセンターでは、3密を回避して従業員を守ること、増大するコールに対しても安定した応答サービスを継続させることが課題となっている。チャットボットやAIなどの活用による業務の自動化や効率化、テキスト化した音声データを分析することでコンプライアンスの遵守やサービス品質の向上につなげる取り組みが拡大している。

デジタル技術の活用が進む一方で、チャットボットの品質が悪いとか、音声データ特有のノイズがありテキスト化した情報が使いづらいといった新規課題も生じているという。日立ソリューションズ東日本と北大発・認定ベンチャー企業の調和技研は、今年4月より、「AI・RPAを活用したコールセンター業務効率化ソリューション」を提供する。両社はAIツールにRPA(ソフトウェアロボット)技術を組み合わせた効果的な活用について共同で検証を行っていた。

その検証結果をもとにコールセンター業務を効率化するしくみとしてこれを実用化したという。上記ソリューションは、AI音声認識・合成やチャットボットや、自動要約を連携させた機械学習、感情分析など身近になったAIツールにRPA技術を組み合わせて最適な循環サイクルを構築することで、マルチチャネルによる問合せ応答サービスの均一化や、今まで人力に頼ってきたFAQナレッジ作成・更新の運用コスト削減を可能とした。

同ソリューションを導入するコールセンターでは、「コスト低減」「人材不足解消・オペレーター即戦力化」「オペレーター生産性向上」「コールセンター運営全般の効率向上」が実現可能になるという。