空の産業革命レベル4に向けて、物流用ドローンとソフトウェアを開発

これまでのドローンは、空撮用途等に使われる汎用機のペイロードを荷物に置き換えた形態が主流だ。日本政府がめざす「空の産業革命」に資する、有人地帯での目視外飛行を含む、物流用途には最適化されておらず、飛行速度・飛行距離・配送可能重量・配送品質に限界があるという。

ACSLエアロネクストは今月19日、来年実現予定の「空の産業革命レベル4」(官邸PDF)を見据え、両社が共同開発を進めてきた成果として、機体構造設計技術4D GRAVITY®︎を搭載した物流用ドローンの最新試作機を発表した。量産に向けたこの試作機とともに、産業用ドローンソフトウェア事業において業務提携しているACCESSとの3社協業により、物流用ドローン向けソフトウェアを開発することも明らかにした。

4D GRAVITY®搭載の物流専用機体は、「荷物を機体の理想重心付近に最適配置」「水平定常飛行・前進特化型の物流専用機体」「独立変位可能な荷物水平維持機構」といった特徴を有していて、飛行速度・飛行距離・配送可能重量・配送品質のレベルアップを実現する。今回発表した機体のスペックは、最大離陸重量25kg、標準ペイロード5kgとなっている。

産業用ドローンの研究・開発・実装で経験豊富なACSLとエアロネクストが物流分野にフォーカスし、IoTにより解決する社会課題を空の領域まで拡げたACCESSと協同してつくる。ソフトウェアについては、有人地帯での目視外飛行を可能とする「レベル4対応」のほか、「天候等、配送ルートの状況による最適配送ルートプランニング」「物流管理システムとの連携」に向けて、先進的なIT(情報技術)も活用しながら、開発を進めていくという。

3社は今後、それぞれの知見や技術を持ち寄り、上記最新試作機の本格的な量産に向けて実証検証を重ね、共同して、真の物流用ドローンのいち早い社会実装を目指してこれを推進していく構えだ。