"パックマン"とともに路面状況を把握、道路の維持管理へ

高速道路と直轄国道での落下物処理件数は年間それぞれ34万と52万、動物死骸処理も5、7万件弱ずつある。さらに危険な道路陥没発生件数は都道府県において約1,300、市町村で約7,700件あり、国道管理の瑕疵(穴ぼこや段差)に起因する損害賠償支払件数は増加傾向にある。

国交省Webの国道(国管理)の維持管理ページに上記実状が示す資料がある。少子高齢化という社会的課題を抱えているこの国においては、地方公共団体も業務DXに心を砕いている――。市民に安心して道路を活用してもらうためにも、道路の維持管理業務は大変重要であり、これまで以上に管理業務の迅速化、効率化が求められているという。愛知県岡崎市で19年10月~20年3月末に同業務の支援サービスの実証実験を行った。

それは走行車両で収集したデータから道路の異常を検知し、その情報の提供、補修に向けた計画支援、対策実施を行うトータルサービスであり、現在、実証地域を愛知県豊明市鹿児島県志布志市に拡大しているという。アイシン精機アイシン・エィ・ダブリュは、道路維持管理支援サービスにおいて、バンダイナムコエンターテインメントのIP(知財)で世界的に高い認知度を誇る「パックマン」とコラボレーションすることを今月13日に発表した。

ごみ収集車や、乗り合い送迎サービス「チョイソコ」の車両などに搭載したカメラやセンサーからのデータで路面状況を的確に把握できる。これまで培ってきたナビゲーション開発のノウハウを生かした位置情報活用によって、自治体内の道路全てにおいて管理対象か否かを識別する。対象の道路について既に走行したかを色分けによって明確にできる。道路維持管理サービスのディスプレイアウトプットに、「道路上のクッキーを食べるパックマン」が登場する。

コラボ施策を検討している両社は、「パックマン」とともに同サービスと意義を自治体等に広く浸透させていく構えだ。