介護・医療施設などのプライベートな空間で転倒等の事故を検知する

1960年代から防犯目的の監視カメラ設置が進められた。日本では近ごろ街中や公共施設等での人流監視なども行われているほか、自宅にいるペットや子供、遠方に住む親の様子を「見守る」ニーズが高まっている。

一方で、介護や警備などのサービス業においては、少子高齢化による労働力不足が予測されていて、人手による見守りをサポートする仕組みに加え、現場によっては見守られる人のプライバシーへの配慮も新たに求められているという。三菱電機三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)は、暗い場所や夜間での転倒、転落、うずくまりなどを自動検知する「kizkia-Knight(きづきあ-ないと)」を開発した。

プライバシーへの配慮が必要なトイレや居室でも遠隔見守りが可能になるという。「kizkia-Knight」は、サーマルダイオード赤外線センサー"MelDIR®"で取得した人やモノなどの表面温度データを活用し、暗がりでもAI技術"Maisart®"で人の動きや姿勢を自動検知する。この新たな映像解析ソリューションにより、これまで監視カメラの設置が難しかった介護・医療現場のプライベート空間における24時間365日の見守りサービスを実現する。

顔などの身体的特徴を特定しない熱画像を用いる。上記新ソリューションは、セキュアで拡張性に優れたクラウドサービス基盤を活用することで、サーバー設置やユーザーによるメンテナンスが不要で、システム運用が容易である。検知した情報をモバイル端末などに通知できる。現場スタッフや家族は夜間、その人のもとに駆けつけなくても様子を確認できる。トイレでスマホに夢中になっている人の識別も可能にするという。

MDISは今年7月から介護分野向けに"kizkia-Knight"サービスの提供を開始。そして、誤検知や外部影響による誤報を減らしたい防犯分野などにも、その適用範囲を拡大していく考えだ。