健康と生産性Upにつながる新しい睡眠ソリューションの創出に向けて

OECD加盟国の中で睡眠時間が最も短い。日本では近年、日々の睡眠不足が借金のように積み重なっていく「睡眠負債」が、日中の集中力低下、精神状態の悪化、様々な疾病リスクの増大などにつながるとして話題となった。

厚労省「平成29年国民健康・栄養調査報告」の結果の概要PDFページ52にて、睡眠で休養が十分に取れていない人の割合が有意に増加しているとある。働き盛りの人たちが睡眠負債を抱えているだろうことがわかる。企業においては従業員の睡眠負債や睡眠障害が労働生産性ないし経営効率の低下を招いている――が、睡眠課題に対する医学的・科学的エビデンスに基づいたソリューションはまだ社会実装が進んでいない状況だという。

ブレインスリープNTT東日本は今月15日、睡眠におけるデータ分析基盤の構築および睡眠障害診断のAI予測に関する実証実験を共同で開始した。今後はさらにパートナーシップを強化し、それぞれが有する最先端睡眠医学の知見と最先端ICT(情報通信技術)を持ち寄り、様々なパートナー企業を巻き込みながら、日本の睡眠課題の解決を目指していく。

両社は、「睡眠データ利活用基盤」を構築し、太田睡眠科学センターと連携して「AIによる睡眠障害診断予測」モデルをつくり、睡眠を可視化するWebサービス"睡眠偏差値forBiz"を活用し、潜在的な課題を分析することで、従業員のプレゼンティーズム(出勤していても健康上の問題により業務パフォーマンスが上がらない状態)改善をサポート、「企業の健康経営促進を支援」する。

共同プロジェクトの第1弾として、センシング・IoT技術を駆使し、ひとり一人の最適な仮眠時間および覚醒タイミングを特定し、スムーズな目覚めを促すための技術検証を行う。この検証によって取得した知見およびノウハウを提供し、新しい睡眠ソリューションを創出したい企業およびスマートシティ推進自治体を支援していく考えだ。