AIにてバリューチェーンを分析、市場進出パートナー選びを支援する

自社単独もしくはグループ内での事業開発を行う傾向にある。日本企業は、顧客ニーズの複雑化やテクノロジーの急速な進歩により、競争力の維持が難しくなっている。エコシステム構築を前提としたビジネスモデルが主流の近年、知財戦略においても他者と共創・協創を促進することで――

技術及び事業開発における価値の最大化を見定め、実効性を高めることが求められている。企業が保有する知財の価値を最大限に活用した事業開発を行ううえで、アライアンス戦略の重要性が高まっている。一方で、進出市場やアライアンスパートナーの選定にはメガトレンド/マーケット/競合/バリューチェーン分析、重点分野特定、法規制分析など多くのステップがあり、多様な情報を収集し、それらを遅滞なく確認することが大きな課題だという。

PwCコンサルティングは今月15日、知財を起点としたアライアンス戦略による新規事業開発を支援するコンサルティングサービスの提供を開始した。顧客の最適なエコシステム構築に向けた取り組みなどを支援する。同社は今回、AIを活用して網羅的かつ高速で情報を収集、分析するツール「Intelligent Business Analytics」を開発した。

上記ツールを駆使してバリューチェーン分析による進出市場の特定、保有する知財の技術性・事業性評価、パートナー候補のリストアップなどを迅速に実施し、新規事業の構想を短期間で具体化することを目指す。その後は、各業界や規制に対する知見、経験をもとに、新製品・サービス実現までのロードマップ作成、垂直統合・水平分業の観点での最適なアライアンスなど、知財を活用した新規事業開発の戦略~実行を支援する。

同社は日本企業が知財を最大限に活用し、グローバル市場において持続的成長を実現することへの貢献をめざす。新サービスの核となる上記AIツールを4月以降にサブスクリプション形式で提供する予定だという。