出納業務DX、帳票の読み取り照合を自動化して作業時間を1/2に

デジタルトランスフォーメーション(DX)による経営基盤の強化や業務プロセスの最適化を目的に、さまざまな改革を推進している。現在しかし、新型コロナウィルス禍の拡大防止に向けテレワークが推奨される中において、すべての部門がそれを達成できているわけでない――

テレワークの阻害要因となる「紙の書類や証票」を多く扱う財務部門の出納業務では、さらなる自動化・省人化に向け、デジタル技術の適用範囲の拡大と手書き文字など多様な帳票への対応が求められているという。日立製作所は、自社のDXの一環として財務部門の出納業務に、高精度な文字認識が可能な「帳票認識サービス」と、柔軟な業務システム開発を支援する「BRMS InnoRulesソリューション」を導入して4月に運用開始する。

「帳票認識サービス」のAI-OCRエンジンにより、定型・非定型帳票、活字や手書き文字、二次元コードなどさまざまな帳票や文字に対応し、財務部門が扱う請求書と社内申請書を合わせた約5,000種類の帳票の読み取りが可能になる。また、「BRMS InnoRulesソリューション」を活用し、財務担当者が社内規定に沿って判断してきた複雑な業務ロジックを財務システムに実装することで、読み取った請求書と社内申請書の自動照合を可能にする。

照合結果で不備と判定された申請内容のみを財務担当者が確認する、運用の革新によって作業効率を大幅にあげられる。年間25万件におよぶ出納業務において、帳票データの読み取り・照合に掛かっていた作業を14,500時間から7,400時間に短縮することを見込んでいる。

自社での実績・ノウハウも生かしながら個々の仕組みを継続的に強化し、請求書以外の帳票への対応や認識精度のさらなる向上などを図ることで、顧客のDX加速を支援し、業務効率化や働き方改革の実現に貢献するという。同社は帳票認識サービスの詳細をウェビナーで紹介している。