久賀島の南西にある田ノ浦港から山を越えた島の中心に、小中学校、郵便局、診療所、商店などがあり、医薬品
等が送られてきた際には、診療所の職員が同港まで荷物を取りに行く。難儀である。住民のおよそ6割が高齢者となった今、それぞれが診療所等へ通うこと自体も課題になりつつあるという。ANAHD、武田薬品、長崎大学、五島市は今月22日より、「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」の実証実験を行う。
上記取り組みを含む国交省・環境省連携事業(環境省PDF)に採択された。4者は今回、NTTドコモ、SkyLink Japan、インテグリティ・ヘルスケア、東七、藤村薬品と協同して、長崎県五島市福江島港エリアから久賀島の内陸に位置する久賀診療所へ、通常定期船と陸路で45分程度かかる行程を、ドイツWingcopter社製固定翼VTOL(垂直離着陸)型ドローンにより約10分で、処方箋医薬品を配送する。
「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」に基づき、ドローンを目視外飛行させる承認(阪空運第20384号)を得た。ANAHDが運航・配送管理や実証を統括する。実験シナリオ1の「オンライン診療モデル」では、患者が自宅でオンライン診療・オンライン服薬指導を受けた後、処方箋医薬品の自宅配送を実施。シナリオ2の「緊急配送モデル」においては医薬品卸から医療機関への緊急配送を想定したドローン配送を実施する。
実証実験を26日まで行う。関係各社・団体はこの度の取り組みにより、離島に住む人たちの難儀を解消し、通院へのハードルを下げて、地域医療の課題解決をめざしていく。