農業DX、低コストで環境制御をDIYするしくみに新機能を追加

136万1千人。日本で多数を占める自営農業に従事する世帯員は5年前に比べ22.5%減少し、65歳以上の人の割合は4.9ポイント上昇した。

2020年農林業センサス」に上記実態が示されている。この国の農業は、社会的課題などを背景に従事者数が年々減少するなかにあり、省力化が求められている。そこで行政機関も次世代施設園芸(参考資料)を積極的に推進している。環境制御システムについては、労働力不足の解決策として注目されているが、中小規模の生産者ではそれを用いても採算がとり難く、あまり導入が進んでいなかったという。

サカタのタネは、ワビットの低コスト環境制御システム「アルスプラウト」向けに同社とソフトウェアを共同開発した。Arsprout Piが今月8日よりワビットから提供される。詳細な制御条件の設定に不慣れな人でも同システムを扱えるよう、大幅に入力条件が少ない"標準制御"も選択可能としたうえ、アイコンやグラフ等で制御モニターの視認性を高め、直感的に扱いやすくした点も同ソフトウェアの特長だという。

DIY型で自由度が高く生産者の実情に合わせて機能を取捨選択できる「アルスプラウト」は、一般的な環境制御システムの1/2かそれ以下のコストで導入できる。今回、より設定が容易になることで、さらにハードルが下がり、幅広い生産者が環境制御システムを導入――日本の農業の省力化につながることが期待される。

サカタのタネではすべての研究農場に「アルスプラウト」を導入し、実用性や機能性を検証していて、「アルスプラウト Pi」の開発では栽培担当者からの要望を生かし、急激な温度変化を避けるために保温カーテンを段階的に開閉する機能や光合成効率を上げるための温度補正機能など、植物栽培の現場で研究を行う同社だからこその提案をしたという。機能の多くが実装された新ソフトウェアは「AGRI EXPO ONLINE」で紹介される。