気象およびSNS等のデータを活用、防災・減災のしくみを一層強靱化

近ごろ自然災害が激甚化、広域化している。大規模な災害が発生すると、避難判断や従業員の適切な安全確保が困難となる。交通機能が麻痺すればサプライチェーンの停滞や寸断に加え、被害現場の状況把握が難しくなる。さまざまな課題が顕在化して、想定外の被害が生じることもあるという。

富士通は、自治体向け防災・減災システムづくりで培ったノウハウを活かして新開発したSaaS型の「デジタルレジリエンスサービス」を3月5日に発売。その社内実践を含め、公共から民間企業まで幅広く、防災業務を支援する。

新サービスは「気象データやSNS情報から網羅的かつリアルタイムに災害状況を把握」。AIなどを活用して、気象庁の気象情報、浸水・洪水・土砂災害などの危険度情報、4種類ものSNS情報から災害関連データを収集し、それらを蓄積分析して注意・警報度合いを予測。今どこで何が起きているかを即座にデジタル地図上に再現する。これにより、避難判断や適切なリソース配置など、災害への早期対応、的確な意思決定を行うことが可能となる。

「現場からの状況報告と、気象データやSNS情報の一元化により、業務継続のための初動対応を強化」といった特長も有している。SaaS型の同サービスは、全国各地に事業所や店舗、工場、倉庫などの複数施設を展開する企業においても、社内関係者からの被害状況報告やリスク情報を網羅的に収集し、それらを組み合わせることで、警報種別、震度などのリスクの種別やレベルをもとに、初動対応が必要となる対象拠点の抽出ができる。

災害現場の詳細をスマートデバイスから容易に報告できる機能も搭載している。これにより、拠点ごとの被害や対応状況を可視化し、災害時の二次被害の軽減や復旧、業務継続など、企業・団体の災害対応業務を強力に支援するという。同社はこれからも防災や減災対策を支え、災害に強くしなやかな社会づくりに貢献していく構えだ。