医療分野DX、保険証のマスキングを自動化する

昨年10月1日より「告知要求制限」が施行されている。医療保険各法が改正され、プライバシー保護の観点から、健康保険事業や関連事務の遂行等の目的以外で「保険者番号及び被保険者等記号・番号等」の告知を求めることを禁止する規定が新たに設けられた。

上記政策が厚労省Webに解説されている。そこで同省は、本人確認等のために被保険者証(いわゆる保険証)等の提示を求めることは可能だが、その際には「告知要求制限」に抵触しないよう留意する必要があるとしている。つまり今日われわれは、オンライン本人確認においても、ユーザー自身が附箋やマスキングテープなどで被保険者記号・番号等を隠して撮影するか、事業者が該当項目を後工程でマスキングするかを迫られているいうことだ。

本人確認書類の保存時にも「告知要求制限」を遵守するために、マスキングする必要がある。事業者によっては、膨大な数の本人確認書類を1枚1枚マスキングする業務が発生しているという。ショーケースは今月5日、人工知能(AI)を活用して本人確認書類を自動でマスキングするプラットフォームサービス「ProTech AI Masking」をリリースする。

保険証の被保険者等記号・番号等や、免許証などの個人情報について、AIを用いて自動判別し該当項目にマスキングを施す。「ProTech AI Masking」は、ローンチカスタマーとして大手企業への導入が決定していて、他にも金融機関を中心とする複数の顧客が採用を検討をしている。引き続き、保険証のマスキングにより業務効率化を目指す企業への導入を進めていく。

AIを更に積極的に活用することで、マスキングの速度向上や、マイナンバーカードなどの本人確認書類への対応拡大などを目指していくという。同社は、本人確認の手間を高度に減らせるサイバーセキュリティ手段eKYCを通じて、非対面取引における不正を防止することを目標としている。