ローカル5Gにて建設現場DX、安全管理強化に向けて

大阪・関西万博、リニア中央新幹線開通プロジェクト、統合型リゾート(IR)の実現といった大規模イベントによる新規建設の増加が見込まれている。建設業界では、就労者が高齢化しているのに若手入職者が不足していて、日本の社会的課題が色濃く表れている。

全体的に労働人口が減少している。同業界の課題に対して、国交省「ICTの全面的な活用」にあるように、情報通信技術による生産性アップが考えられている。建設現場には様々な作業があり、危険作業について事前にリスクを洗い出し・対処することが非常に重要となる(参考:厚労省「職場のあんぜんサイト」)。このような危険作業でも、ICTを用いて安全管理を支援することが効果的だという。

NTT西日本NTTファシリティーズNEC竹中工務店は2月25日、建設現場の安全管理強化に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する連携協定を締結。同日より、大容量・超低遅延・多数同時接続といった特徴を生かして企業・団体が各地域のニーズを満たすための通信網――基地局を自営するローカル5Gを活用して、NTT西日本新本社ビルの建設予定地をフィールドとした"作業所DX共同トライアル"を実施する。

「AIカメラを用いた危険エリアの侵入検知の検証」では、不安全行動のタイムリーな監視、是正を行う。ローカル5GとWi-Fiを活用して、危険を示すカラーコーンをAIに記憶させ検知エリアを設定。作業者が検知ラインを越えればその場と監督者へ警報する。「ローカル5Gを用いたエレベータシャフト内作業の可視化と危険予知の検証」では、高所かつ複雑な作業で多くの危険を伴うエレベータ組立工事で、ローカル5Gと高性能カメラで安全監視を行う。

4社は今回の共同トライアルを通して、建設現場での有用性や利活用方法を検討し、事故の無い安全な建設現場の実現に向けたICT技術の活用事例を更に創出していく考えだ。