リハビリ現場でAI用いて関節可動域を自動測定、データ連携も

リハビリテーション治療では、関節の動きの阻害要因の発見や、理学療法および作業療法の効果の評価、障がい度合いの判定などにおいて、関節可動域の測定が必要となる。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)はゴニオメーター(角度計)を用いて、それを目視確認している。

現在普及している目視手法では、測定値に属人的なバラつきが発生してしまう。関節可動域を自動測定する方法があるけれど、従来のそれには加速度センサーなどの特殊装置が必要となるため、導入が進んでいない現実に直面している。PTやOTは、測定値のシステム入力作業に加え、新型コロナウイルス感染症対策として、リハビリテーションエリアの消毒作業なども行っている。近ごろ医療現場の負荷が増しているという。

さまざまな医療機関向けに各種ソリューションを提供している。富士通は2月24日、リハビリテーションおよび整形外科に関わる病院やクリニックなどの医療施設を支援するため、AIを活用し患者のリハビリテーションの動画から肩と肘の関節可動域を自動測定する新たなソリューション「HOPE ROMREC」の販売を開始した。

「HOPE ROMREC」は、複数のAI画像認識モデルで構成する同社開発の画像分析AIエンジンにより、タブレット端末(iPad)を用いて撮影したリハビリテーション動画から3次元骨格を推定することで、患者の肩と肘の左右合計16の運動方向の角度を自動測定・記録して可視化する。患者に装着する加速度センサーや関節部位マーカー、複数台のカメラや赤外線レーザーレーダーなどは一切不要。

メモ書きや手作業を不要とする「測定値の音声入力機能」も備えていて、さらに「電子カルテシステムなどとの容易なデータ連携を実現」する。測定データをCSV形式で抽出できる。新ソリューションでは、患者の治療実績・計画を踏まえて、より質の高いリハビリテーション治療が可能になるという。