CERI寒地土木研究所の論文や北海道警察のPDF資料に、冬期の気象条件下における交通事故の実態が示されている。現在しかし、道路の凍結箇所の把握は道路管理者の定点気象観測や巡回、ライブカメラ等による目視が主で、凍結箇所を全線で網羅的に、かつリアルタイムで把握することは非常に困難とされている。スリップの起きやすさを直接的に推定する手法もほとんど存在しないという。
ウェザーニューズとトヨタは、気象データとコネクテッドカーから得られる車両データを活用して、「いざという時に役に立つ」情報の広範な提供と、気象観測・予測の精度向上やドライバーの安全性向上を目指す共同研究を実施している。この共同研究の一環として、今月22日より47都道府県において、匿名加工済み車両データと、気象データから道路の凍結箇所を把握するための実証実験行う。
今回、車のブレーキの稼働状況や走行データ等を用いて、車輪がスリップしたとみられる箇所を検出。その場所の気温や降雪・降雨など気象データとの合成によって、道路の凍結箇所を推定する。推定した凍結箇所は、実証実験の期間中ウェブサイト「路面凍結推定マップ」にリアルタイムで公開するほか、ウェザーニュースアプリのユーザーから寄せられる天気に関する報告や写真、コメント等を元に検証を行い、システムの精度向上を図るという。
同実証実験を通じて、簡易で網羅的に道路の凍結状況を把握できるシステムを構築し、道路の安全管理に貢献するうえ、ドライバーへの注意喚起等による交通事故の防止、長期の立ち往生の回避など、安全安心な道路通行に寄与していく構えだ。