情報通信
5G×8K映像配信にて、自然災害時の対応を迅速に
「SIP4D」(@防災科研)では、被災状況の空撮映像はハイビジョン(2K)画質が一般的だ。一方、映像配信高度化機構が開発中の「4K8K高度映像配信システム」を用いて、8Kカメラ映像を高速大容量通信5Gにてほぼリアルタイムに伝送すれば、2Kよりも16倍も高精細(2K画質なら16倍広域)な映像で状況を把握できる。被災者の救出や避難誘導、被害軽減などに役立つという。
三菱総合研究所、富士通、アストロデザインは2月15日~17日、映像配信高度化機構、NTTドコモ、シャープと連携し、「4K8K高度映像配信システム」を活用し、「5G」経由で、8K超高精細映像を送受信する技術実証実験を行った。同実験は総務省事業(関連PDF資料)の一環として、緊急災害時の救助や避難誘導などをより正確かつ迅速に行う目的で実施。
今回、仙台市「近未来技術実証ワンストップセンター」の協力のもと荒浜地区や作並地区などを1月にドローンで空撮。その8K映像(被災地想定)を京都府「けいはんなロボット技術センター」(被災現場想定)で5Gアップリンク伝送し、神奈川県にある上記システム経由で東京都のドコモ5Gオープンラボ®Yotsuya(災害対策本部想定)に配信し、大型8Kディスプレイにて、被災地の状況を広範囲に把握できることを確認した。
救助隊などが持つタブレットを想定したモニターには、広域8K映像の一部(救助隊が見たいエリア)を切り出して表示した。近い将来、5G網が全国に整備されれば、日本中どこでも被災地域の8K映像を5Gで伝送――救助や避難誘導などに貢献できる日が訪れるだろうという。