そこで国土交通省は、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる乗員1~2名の車両を「超小型モビリティ」として規格化した。その導入を「地域交通グリーン化事業」で支援している――。今月16日、出光興産は、タジマモーターと、超小型電動車両(EV)などの次世代モビリティおよびサービスの開発を行う、「株式会社出光タジマEV」を4月に設立すると発表した。
新会社はタジマモーター傘下のタジマEVに出光興産が出資し、商号を上記の通り変更したうえ、新たなスタートを切る。上記国交省規格に準拠した新型車両を今年10月に発表し、22年発売を予定している。超小型EVの開発・販売、車載ソーラー、次世代バッテリーの採用、自動運転やグリーンスローモビリティ開発、新たなサブスクやカーシェアモデルの展開、MaaS系デジタルプラットフォームの構築、リサイクルシステムの開発を進めていくという。
出光興産は飛騨・高山、館山・南房総での2年間の実証実験にて、「免許返納に伴う移動ニーズの急増」を確認し、「日々の買い物や子供の送り迎えでの自動車利用が不安だが、自転車や原付では雨風を凌げない」「近隣への営業では一日の移動距離が15km未満で、車両稼働率は20%以下。軽自動車ほどの性能・機能は要らない」といった声を受け、既存の移動手段ではニーズが満たされない層の存在に着目した。
その需要規模は年間100万台に上ると想定。出光タジマEVにおいては、全国6,400ヵ所の系列SSネットワークを軸に、手軽で小回りのきく超小型EVを展開し、法人×個人ユースモデル(ビジネス特許出願中)等も提供して、移動に関わるコストの低減、地域課題への有効な解決策を具現化していく考えだ。