ローカル5Gで超高画質の8Kライブを伝送する

第5世代移動通信規格(5G)は超高速大容量、超低遅延、多数同時接続を可能にする。産業・社会インフラ分野での活用が期待されている。いまの5G商用サービスは高速大容量が目玉であるため、自ら基地局を設置運用する「ローカル5G」にて個別・地域ニーズを満たす動きが加速している。

全国にサービス展開する必要がある大手通信キャリアと違い、小回りが利く。地場の企業や自治体らが建物・敷地内で自営する5Gネットワークは、建機の遠隔制御、スマート工場、スマート農業、防災・減災に資する河川等の監視といった用途が見込まれている(総務省PDFより)。「ローカル5G導入に関するガイドライン」(同省PDF資料)が定められるなど、その実現に向けた環境整備が着々と進んでいる。

今月8日、東芝インフラシステムズケーブルメディアワイワイミハル通信は、ローカル5G免許を取得した東芝府中事業所(20年ニュースリリース)を実験サイトとして、ローカル5Gミリ波(28GHz帯)による、臨場感あふれる8Kライブ伝送実証実験に成功したことを発表した。
――ミリ波は、帯域幅が広く超高速・大容量通信に適しているが、指向性が強く遮蔽物等の影響を受けやすい。つまりローカル5G向きである。

「8Kカメラにてプリント基板をLIVE撮影」「同映像をHEVCエンコーダで圧縮」「ローカル5Gミリ波上り方向にて、同エンコーダのデジタル放送信号多重化方式(MMT-TLV)をストリーム伝送」「ローカル5G端末~5G基地局間は、NSA方式28GHz(100MHz幅)」「デジタル放送信号多重化方式(MMT-TLV)を衛星放送標準規格(ISDB-S3)で変復調」、遠隔地点で「市販8Kテレビにてプリント基板のLIVE映像を確認」を達成した。

3社は今回の結果を、ものづくり高度化によるスマートファクトリの実現や、自治体が抱える各種地域課題の解決に繋げていく考えだ。