データ管理市場は前年度比16.3%増、24年度には180億円に

企業・団体の基幹系IT(情報技術)システムなどは、データがなければただの箱である。様々な意思決定に用いるビジネスインテリジェンス(BI)ツールは各方面からの大量データが統合管理されているデータウェアハウス等と連携してこそ機能する、そこにはデータマネジメントという技術がある――。

データマネジメントは、データを活用するためにデータの加工、前処理、クレンジングおよびメタデータ管理を行う製品群で、ETL(抽出/変換/装填)、データプレパレーション、データカタログ、データクレンジング製品などがこれに含まれ、データの品質管理・信頼性の維持等、データ運用のための総合的な管理を行うという。独立系ITコンサルティング・調査会社のITRは4日、日本国内のデータマネジメント市場規模推移および予測を発表した。

同市場の2019年度の売上金額は89億円、前年度比11.3%増となった。2020年度はこれを上回る同16.3%増の高い伸びを見込んでいる。データのクラウド移行が徐々に進みつつあることから、データマネジメントの高度化へのニーズは着実に高まっている。企業内のデータは増大化および多様化の一途をたどっていて、経営戦略の決定を支える資産として、データの重要性が高まっているとした。

データマネジメント市場は今後も高成長を維持し、CAGR(19~24年度)は15.1%、2024年度には180億円に達すると予想している。同社のリサーチ・フェロー平井明夫氏は――この成長は、従来からの主力製品ETLに加えて、データサイエンティストが利用するデータプレパレーションの需要が急拡大したことによるもの。今後はデータレイクやデータ統合に必要なデータカタログの需要拡大によるさらなる成長が見込まれる、という。

上記市場調査の詳細は、同社のレポート「ITR Market View:DBMS/BI市場2021」にて確認できる。