5kmメッシュで毎時予測、72時間先までの停電リスクを把握する

この冬に電力需要の逼迫が懸念されていた。日本付近では1年間に平均25.6個、台風が発生し、そのうち5.5個が列島に接近する。例年7〜10月は上陸のリスクが高まる台風シーズンであり、2019年には台風15号による大規模停電が千葉で起こった。

その前年には台風21号が大阪を中心に様々な爪痕を残した。夏から秋にかけては日本列島のどこであっても、台風による停電被害が発生するおそれがある。そこで20年9月、過去の台風接近時にユーザーから寄せられた停電報告と、観測機の風速データとの相関関係を分析した結果を基に、停電予測モデルを日本で初めて開発したという。

ウェザーニューズは今月3日、高精度の気象データ×最新ITによってビジネス課題を解決するWxTech®サービスにおいて、「停電リスク予測API」の提供を開始した。これは暴風による停電の危険性を1時間ごとに、5kmメッシュの高解像度で、予測される風速に応じて、72時間先まで指数化し、"停電のリスクなし""停電の可能性あり""停電注意""停電警戒"の4段階で提供する。更新頻度は1日5回。

「停電リスク予測API」は、クラウドを経由してAPIなどで予測データを提供するため、企業システムとの連携が容易。あらかじめ緯度経度を設定しておけば、対応する5kmメッシュの停電リスク予測を自動取得できる。予測データとビジネスデータを組み合わせて、新たなソリューションを生み出すことも可能であり、停電予測データと連携するスマート家電などの開発、オフィス・店舗のデータを自動でバックアップする停電対策サービス開発――

電力会社の体制判断、工場の操業停止や物流事業における配送遅延・休止、スーパーやコンビニ店舗での休業のリスク把握など、BCP(事業継続計画)の観点でも活用できるという。同社は、防災・減災サービスや製品の開発、および企業のレジリエンス強化を支援していく構えだ。