校正・校閲を省力化、審査業務もAI活用にて効率化する

テレワークなどの導入が急拡大した。ニューノーマルが定着しつつあるなか、企業等における各種発行物の校正・校閲作業は、それが紙でもデジタル媒体でも、その多くが人手に依存している。コロナ感染拡大以前から、効率化や人為的なミスの低減が求められていた。

たとえば商品パッケージの制作時、各業界の規範のほか、ロゴやマークの表示方法など企業独自のルールに準拠する必要があり、社内外で多数の人が校正・校閲に携わっている。あらゆる企業に共通して、負荷の軽減が課題になっているという。

DNPは1日、SaaS型の「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」の提供を開始した。画像文字認識AIと自然言語処理AIが活用され、クラウド上で承認プロセスを回せる同サービスは、各種発行物の校正・校閲を省力化し、契約書・申込書等の審査業務を効率化。働き方改革を推進する。進捗等のオンライン管理によって、ユーザーは多数・遠隔・多地点からでも、円滑に校正・校閲や審査などが行えるという。

これをIWIブレインズコンサルティングヒューリンクスAI insideとともに開発した。DNPは、サントリーコミュニケーションズの協力のもと以前からAIを活用した審査サービスの実現に取り組んでいて、19年には飲料・食品メーカーを軸に36社と合同検証を実施――AIの精度改善等を行い、実効性が確認できた。新サービスは「原稿比較」「レギュレーション審査」の校正・校閲機能を有し、デジタルワークフローによる承認・回覧プロセスを実現している。

上記検証を通じてさまざまな業界での需要が浮彫りになり、日清食品ホールディングス明治安田生命などで採用され始めているという。「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」を運用中のサントリーコミュニケーションズでは、商品パッケージの校正作業を30%省力化していて、将来的にはそれが50%程度になると見込んでいる。