AIを結核診断に活用、インドで国連SDGs3.3の実現に向けて

結核は世界の死亡原因トップ10の一つで、2019年には結核により140万人が亡くなっている。そこで国連は持続可能な開発目標(SDGs)の3番目に「すべての人に健康と福祉」を掲げ、そのターゲット3として、結核などの流行を2030年までに終息させることを各国に求めている。

SDGs3の"Goal 3 targets"。今日、結核根絶に向けた課題の一つに、乏しい診断機会や結核発見の遅れがあげられる。これらが重症化やさらなる蔓延を招いていて、医療へのアクセスが困難な地域における結核患者の早期発見が重要だという。

NTTデータは、マイクロソフトが推進する「AI for Health」と連携して、インドにおいて約10万人の結核診断へのアクセス向上支援を行っている。この取り組みは昨年6月に両社で開始した戦略的協業における社会貢献活動の第一弾。SDGs3.3の結核流行の終息に向け、NTTデータのAI画像診断技術とMicrosoft Azureを無償提供し、同国で多くの結核患者の早期発見・治療を支援するものだという。

医療画像を用いた診断をAIで支援する、技術開発と病院での実証実験を行ってきた(NTTデータ20年5月25日ニュース同29日ニュース)。同社はDeepTekと協同して同技術を検診車に搭載。このしくみをAzureと連携させ、同国GCCのもとで22年3月まで、チェンナイで住民の結核診断へのアクセス向上を支援する計画である。

現地では医療へのアクセスが難しい地域における結核患者の発見に取り組んでいて、今回のプロジェクトではそうした地域を訪問する検診車にて撮影されたX線画像をAI画像診断技術により分析し、結核の疑いがあると判定された患者に結核検査(喀痰検査)を実施することで、結核患者の早期発見を目指す。活動結果を踏まえ、COVID-19などより多くの症例・地域への対応も推進していく構えだ。