国内初の薬事承認取得済みAI製品にて、大腸がん診断をサポート

大腸がんは国内がん死亡数第2位(女性1位)、罹患数第1位(総数)で増加傾向にある。近年、大腸内視鏡で腫瘍性ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡を大幅に減らせることが報告されていて、内視鏡検査による早期発見、早期治療の重要性が高まっている。

国立がん研究センターの「最新がん統計」に大腸がんのリスクが示されていて、海外医療雑誌に大腸内視鏡にかかる論文(N Engl J Med 2012N Engl J Med 2013)が掲載されている。今日、医師は大腸内視鏡検査において、病変を見落とさずに検出し、検出した病変が腫瘍か非腫瘍かを的確に判別し、前がん病変とされる腫瘍性病変を確実に切除する必要がある。

腫瘍性病変には、良性腫瘍の「腺腫」と悪性腫瘍の「がん」の両方が含まれる。さらに、がんは浸潤度によって、内視鏡手術で治療可能なものと外科的手術が必要なものに分けられる。それら様々な浸潤度のがんの判別は、治療方針の決定につながるため重要だが、見極めが難しく内視鏡診断上の課題になっているという。

オリンパスは、大腸の超拡大内視鏡(最大520倍の光学拡大機能により、瞬時かつ細胞レベルでの生体内観察が可能な内視鏡)画像をAI(人工知能)で解析し、検査中に腫瘍や浸潤がんを高精度にリアルタイム判別することで医師の診断を補助する、内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-Plus」を2月5日に国内で発売する。

性能評価試験において浸潤がんの判別で感度91.8%、特異度97.3%といった高い診断精度が得られた。同ソフトウェアは、大腸における浸潤がんの診断において日本国内で初めて薬事承認を取得したAI製品――。EndoBRAIN®-EYEなどとの併用も可能であり、病変の腫瘍や浸潤がんの可能性を検査中すみやかに示すことで、大腸がんの治療方法の選択における医師の診断をサポートするという。