しかし現在、その情報集約にあたっては、未だに紙の地図の上に敷いた透明シートに情報を書き込む手法がとられている。災害状況を把握するなど、災害対応の一連の流れのなかで、最新のテクノロジーが十分に活用されておらず、意思決定に必要な情報を集めるには膨大な時間がかかっているという。パーソルP&Tと防災科研は1月27日、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」のサービス開発に向けて協業を開始した。
災害現場でのドローン活用の定着化には、現場活動に最適化したシステムおよび知識セットの教育プログラムが必要不可欠である。そこで今回、両者の知見、スキルセット、実績等を掛け算して、ドローン運航者のコンピテンシー(職能)モデルを実現し、ドローンを活用した情報収集と情報解釈により、災害時の「誰がドローンを操作して、どのような情報を得て、誰が判断するのか?」といった意思決定プロセスを安全かつ効率的にしていくという。
前者は広島県神石高原町にて「いつまでも安心して暮らせるまちづくり」を目指し、災害対策や物資配送等の課題を解決するドローンコンソーシアムに参画して20年に実証実験を行った。一方後者はおよそ十年来、災害初期対応における状況把握にドローンを活用する研究開発を行っていて、同町にて「地産地防プロジェクト」を立ち上げ、現場に求められる学際的で体系化された知識教育プログラムの確立を進めている(PDF資料)。
災害状況把握技術の社会実装を協同推進する両者は、GEORISの導入によって、「時間効率」「コスト削減」「安全確保」の観点から様々な効果・業務効率化が実現できるという。