平城宮跡歴史公園をロボットがゆく、AIも活用して――

「あおによし、なんときれいな平城京」と覚えた。そこは大和の国、710年(和銅3)から784年(延暦3)までのあいだ都であった。そして現代、その跡地は甲子園球場30個分の広さを有する公園としての整備が進み、すでに第一次大極殿や朱雀門などの建物復元や、遺構表示がなされている。

国営平城宮跡歴史公園では、AIやIoTなどの新技術を活用し、公園の抱える課題の抜本的な解決や、公園利用者サービスの創出などによる一層の魅力向上をめざし、産学官コンソーシアムのもと社会実験が実施されているという。NTTコムウェアは、「平城宮跡歴史公園スマートチャレンジ」において、四足歩行ロボットと画像認識AI「Deeptector®」等を活用し、公園維持管理のスマート化をめざす「自動巡回点検検証」を今年2月に始める。

2月中旬~3月(予定)まで、公園維持管理業務の自動化に向けて、点検しづらい植生エリアや立ち入り困難な調整池近辺、体調不良と思われる来園者・ごみや落し物の発見、倒木・落枝につながる樹木の危険予兆(木材腐朽菌の発生等)などについて、自律四足歩行ロボの巡回による効率的な画像データ収集、AI画像解析技術、デジタルツイン仮想空間の可視化技術を組み合わせて実現する、検証を行う。

ドローン空撮画像のSfM(動きからの構造)処理や設置型LiDAR(光検出&測距)で習得した3Dモデルを統合し、クラウドに仮想点検空間としての「デジタル平城宮跡歴史公園」を構築する。その3D空間上に――四足歩行ロボットが巡回撮影したデータをクラウド上にある仮想点検空間に取り込み、写真に付与されたGPSの位置データから――撮影点を表示する。収集された画像データをAIにて解析し、公園内の不具合事象を抽出する。

同社は、特別史跡・世界遺産「平城宮跡」の保存および同歴史公園の飛躍的な魅力Up、新技術の水平展開を促進する取り組みに貢献していくという。