自治体DX、選挙事務所のコンプライアンスをAI活用で支援

迅速かつ正確な職務遂行が求められている。地方公共団体の職員は法令解釈に関する問合せがあった際、膨大な書籍等を調べて総合的に回答を導き出す、これが大きな負担になっているという。

三重県において、今後の国政選挙も見据え、今年1月~3月に県内で実施される地方選挙を対象に、NECは事務の効率化と候補者や市町村等からの問合せへの迅速な対応に向けた実証実験を行う。同社は大量のテキストデータを高速・高精度に検索可能なAIテキスト含意認識技術を活用し、地方公共団体の事務処理における検索作業を支援するシステムの開発に取り組んでいる。

今回、同県選挙管理委員会協力の下、選挙事務に関する法令、法令の解釈と運用に関わる裁判所の判例、所管官庁からの通知、行政実例等の検索を支援するしくみを実証する。同実験は、大量かつ頻回に追加と差し替えが発生する法規集・事例集等の書籍に含まれる法令・判例・通知・行政実例等を対象にAI検索技術を活用する、全国初の試みだという。デジタルトランスフォーメーション基盤には「NEC the WISE」が用いられる。

地方自治関連の実務書籍出版社ぎょうせいが提供する――書籍にして数千ページに及ぶ――選挙事務に関するコンテンツから三重県が選定したものをデジタル化。上記テキスト含意認識を利用した検索システムを用いて、選挙事務における作業を実施した場合の有効性を検証する。システムには、検索の際に法規集・事例集等、出典元のPDFファイルを表示する機能に加え、NECが自治体向けに独自開発した技術が搭載されている。

各地方公共団体が独自に保持している過去の問い合わせへの回答履歴も同時に検索・抽出する、同技術によりユーザーは、過去の問い合わせへの回答履歴などの対応記録を参照し、取り扱い経緯を踏まえた上での回答案の作成が容易になるという。NECは上記内容を地方自治情報化推進フェア・オンラインで紹介する。