SDG12で責任ある生産と消費が提唱されている。両者をむすぶ食品流通業では、返品やロスの問題に常に悩まされていて、近ごろ先進的なIT(情報技術)活用によりサプライチェーン上のデータを可視化し、食品ロス等を削減する研究が行われている。他方、ポストコロナ時代においては、市民の食品消費でeコマースの役割がますます大きくなり、各社のサービスは利便性や簡便性以外の面も含め急速に発展するものと予想される。
食品ロスの削減には、食品流通業だけでなく、消費者の行動変容が不可欠であり、消費者が普段の生活の中で容易に食品ロスの削減に取り組めるサービスは、消費者の意識が向上するなかで非常に高い価値を持つようになる――と考えられるという。三井化学、伊藤忠インタラクティブ、イトーヨーカ堂、凸版印刷、日本総研は、SFC構想研究会の活動として、ネットスーパーおよび消費者の家庭における食品ロス削減に関する実証実験を行う。
IoT技術を活用した食品消費最適化の実現を目指し、全国の関係事業者および東京都民の協力を得て、「産地から消費者までのフードチェーン上での食品情報の個体別の追跡管理」「青果物流通におけるRFIDタグの活用」「鮮度の見える化によるeコマースの売り上げ向上と食品ロス削減効果」「ダイナミックプライシングによるeコマースの売り上げ向上と食品ロス削減効果」「家庭内における食品ロスの削減」を検証する。
都内で1月20日~2月9日、全国20産地、食品の購入・調理頻度の高い20~40代(約10名)とともに、生鮮品その他日配品(約3000点)を対象に行う、上記実験結果を踏まえたサービスの事業化に取り組むという。