ドローン撮像×リスク評価手法にて、建物等の劣化を診断する

近ごろ大型台風による建物の被害が多発している。風災被害を減らすためには、劣化部位の早期特定と予防的補修が重要だが、屋上や高所にある外壁は目視点検が難しく、定期調査が行われず、予防修繕が不十分な例が散見される。

都度部分的な修繕が繰り返せば、計画的な大規模修繕よりもコストがかさむことがある。建物のみならず、太陽光発電設備では、発電パネルの出火や部分破損による出力低下などが発生している。定期検査が必要なこれらも高所だったり設置範囲が広大だったりして、目視や手持ちの検査機器では効率的に不具合を発見し難いという。

MS&ADインターリスク総研は、NECネッツエスアイとともに、ドローンを活用した建物劣化診断サービスを共同開発した。今月20日より提供する同サービスでは、後者がドローンを用いて撮影する工場や倉庫などの空撮画像を、前者が所有する建物劣化評価手法に基づき確認し、建物の屋上・外壁・太陽光パネルなどの劣化状況を診断する。

劣化状況の調査時にドローンとZoomなどを組み合わせることで、現場の作業者だけでなく遠隔の管理者からも、PCやタブレット、スマートフォンなどでリアルタイムに空撮映像を確認することができる。従来目視による点検が困難であった屋上や高所の外壁について、ドローンによる空撮を行い、劣化箇所を発見する。点検用の仮設足場の設置が不要となり、安価かつ短時間で点検を行える。

太陽光パネルについては、上空から赤外線画像を撮影する。ドローンの撮像に対して、NECネッツエスアイの「【ドローン×AI活用】太陽電池モジュール点検サービス」のノウハウを活用した解析を行うことにより、大量の撮影データから異常発熱箇所を自動検出する。広範囲に設置された太陽光パネルから異常発熱箇所を効率的に検出できるという。両社が共同開発した新サービスは、三井住友海上あいおいニッセイ同和損保を通じて提供される。