熟練の技や当人の動きを写してAI解析、客観的な指導や評価に活かす

少子高齢化が進むこの国では、技術や技能や知識やノウハウの伝承が産業界の課題となっている。スポーツ・ヘルスケア分野も同様で、現在、人物の動作に対する評価や指導の多くは感覚や目視に頼っている。旧来の手法では、評価者や指導者によってばらつきがあるという。

NTTPCNSWは顧客のDX推進に向けて、AIを用いた動作解析ソリューションを共同開発――今月18日に提供開始した。同ソリューションは、NTTPCの動作解析AIサービス「AnyMotion」で培ったノウハウと、NSWが保有するアプリケーション開発技術を結集したものだという。

前者はスポーツ・ヘルスケア分野における上記課題を「AnyMotion」にて解決してきた。後者はオートモーティブや産業分野で培った製品開発力および技術により、多様化・効率化・高品質設計への対応と、スマート化に向けた各種ソリューション提供をしてきた。両社の共同ソリューションは、各分野における高スキル者の動作を解析し、その卓越したノウハウをデータ化する。動作データを活用することにより、人材育成等に関する課題解決に貢献する。

製造分野では、熟練作業員の作業を解析し、解析結果に基づき、若手作業員の指導や評価を効果的に行う。熟練作業員のノウハウをデータ化し、人材育成に活用する。物流分野では、運搬作業時の動作を解析し、適切な動作や改善ポイントの指導を行うことで、安全性や作業品質の向上を図る。スポーツ分野では上級者のフォームを解析したデータと、自身のフォームを解析したデータを比較することで、フォームの改善指導を効果的に行う。

ヘルスケア分野では姿勢の正しさや身体の可動域などを定量的なデータで表し、客観的に評価を行う――。静止画/動画から人物の関節点をAIで推定・解析して様々な身体動作を可視化/定量化するしくみとともに、「第1回 MaaS EXPO」にてバーチャル展示される。