1時間ごとの人口データを活用、AIにて来客や需要を高精度予測する

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の終息時期が見込めない。いま、コロナ禍中にある、人々の行動は変容し、経済活動にも影響が生じている。消費行動については日々変化する人出や混雑状況に大きく左右され、過去の需要・来客予測などの情報をそのまま使うことが難しくなっている。

リモートワーク中心の働き方が定着したことで、店舗や施設周辺の状況を直接把握することも困難になった。そのため、様々な企業・団体においては、ニューノーマル時代に適応した仕組みづくりが求められている。一方で、リアルタイムの人口データをビジネスに導入する際には、データの活用方法や既存システムとの連携も課題になっているという。

NTTデータは今月15日、多様な位置情報コンテンツのビジネス活用を可能にするBizXaaS®MaPにて、モバイル空間統計®(NTTドコモ登録商標)人口分布統計を日本全国1時間のリードタイムで配信するサービスの提供を開始した。同サービスでは、コロナ禍で変動する人々の動きと属性情報(性・年代・居住地)を常時かつ即座に把握することが可能になる。

小売・流通企業、飲食店、製造業・卸売業、メーカー/卸等の各種営業、自治体・公共機関・イベントなどでの活用が想定されている。人口分布統計リアルタイム版では、たとえば店舗周辺の人口変動データを用いて来店数を予測――小売・流通企業にてより精度の高い発注・在庫管理を実現し、飲食店などの仕込み量の調整や、閉店間際の割引率の最適化もできる。

ニューノーマル対応BizXaaS®Mapの上記配信サービスでは、地図上で指定した範囲の人口データを集計・分析する機能などを、API連携によって柔軟に既存システムへ追加可能だという。NTTデータは今後、地理情報や気象データ等との組み合わせで同サービスの拡充も進め、新しい社会に適応した仕組みづくりを目指す。顧客業務の変化を支援していく考えだ。