ペースメーカーの遠隔モニタリングデータをクラウドにて一元管理する

心疾患は日本の3大死因の一つであり、国内におけるペースメーカー植込み手術は年間6万件以上実施されている。生活習慣病や社会的ストレス増大などの要因により、心疾患者数の増加が懸念されている。医療現場の医師や臨床工学技士は検査や手術時の臨床業務以外でも多忙である。

外来での定期的なフォローアップ、安全を確保すべき患者への生活指導など幅広い業務を行っている。ペースメーカー各社による遠隔モニタリングシステムの導入件数も増加中である。現場ではシステム操作や保守管理、患者データの多職種連携などを、より迅速かつ正確に遂行することが求められている。さらに昨今の新型コロナウイルス感染拡大により――

米国HRSは「直接対面することなく、デバイスチェックができる遠隔モニタリングは最も強力な感染防御策である」(原文)と提唱していて、日本臨床工学技士会日本不整脈心電学会日本不整脈デバイス工業会は合同で遠隔モニタリングの積極的な活用を推奨しているという(PDF資料)。キヤノンメディカルキヤノンIMは15日、クラウドによる「ペースメーカー統合管理サービス」の提供を開始する。

同サービスでは、ペースメーカー各社が提供する遠隔モニタリングサービスの受信データを一元管理できる。各社の異なる受信データを統一して管理・表示することで、簡単かつ迅速に患者の状態を確認できる。医療従事者によるモニタリング業務の負荷軽減と効率化を図り、質の高い医療サービスの提供を支援するという。

医用画像クラウドサービス「Medical Image Place」と連携し、動画ネットワークシステム「CardioAgent™ Pro」とのデータ連携にも対応している。上記新サービスは現在、アボットメディカルジャパン日本メドトロニックバイオトロニックジャパンボストン・サイエンティフィックジャパン各社の遠隔モニタリングシステムと連携可能だ。