大空を情報伝達媒体にするドローンのしくみ

ロボットやドローンが活躍する社会の実現をめざしている。この国では、交通インフラや産業分野で無人・省人化技術の導入が検討されているほか、気候変動により増加しつつある自然災害の発生時に、それらを活用するしくみも研究されている。

NEDOがロボット・ドローン活躍社会実現プロジェクト概要ページで示しているように――。近年、様々な分野にてドローンの社会実装へのニーズが高まっていて、ユースケースに基づいた法整備や技術開発が進んでいるという。NSSOLは昨年11月~12月、SELABとともに、福島県・静岡県・東京都内において、ドローンを用いた空を情報伝達媒体にする実証実験を実施した。

各種ドローンにて様々なサイズの旗を曳航する。イベントでの宣伝広告等だけでなく、人や車が立ち入りにくい場所での避難誘導などで活用できる。広大な空中を最大限に活かし、不特定多数の人へ視覚的に情報を発信する、ドローンソリューションの実現可能性を検証した。今回、事前の風洞実験にて環境や目的による旗とドローンの組合せ最適化を済ませ、それを実地検証した。

旗端に各種工夫をこらすことで視認性を上げる独自技術(特許出願中)の実証も行い、あらゆる環境における視認性向上を図っている。このドローンソリューションが実用化されると、サイレンやスマホによる警報だけではなく、視覚的にもインパクトの大きい形式による災害時の広域周知の実現や、エンターテインメントやプロモーションにおける表現の可能性拡大が期待できる。

5G通信技術と掛け合わせれば、危険地帯から離れた場所などからドローンを遠隔操縦できるなど、災害時を含めた広い用途での社会課題の解決にもつながるという。NSSOLは、「ドコモ5Gオープンラボ®」にて、飛行艇ドローンを用いた通信エリア品質調査ソリューションの実証実験(19年ニュースリリース)を行うなど、新しい技術の検証を積極的に進めている。