行政DX、次代の住民情報システムに向けて

従来の住民情報システムは各自治体で独自構築し、維持・管理、制度改正対応なども個別対応のため、財政的・人的な負担が大きい。帳票様式も各自治体で異なり、それらを作成・利用する住民・企業でも大きな負担が生じている。

自治体の行政手続きのデジタル化に向けた住民情報システム(デジタル・ガバメント実行計画でいう基幹系システム)の標準化・共通化が重要になっているという。NECは、自治体のデジタル改革を全面的に支援するため、自治体向け住民情報システムの製品開発を強化する。

昨年末に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」(官邸PDF)をふまえ、総務省がこれから改定する予定の「住民記録システム標準仕様書第1.0版」(同省PDF)をはじめ、各業務主管府省が策定する標準仕様や、今後の改定にも準拠した住民情報システムの製品開発を開始し、22年度から順次提供を始めるという。

同社がこれまで提供してきた大規模自治体向け住民情報システム「COKAS-i」と中小規模自治体向け住民情報システム「COKAS-R/ADⅡ」において、総務省が公開した住民記録システムの標準仕様に対応する。これにより、中小規模自治体から政令指定都市まで、標準化に対応したシステムへのスムーズな移行を実現する。ほかにも、住民記録システム以外の業務の標準仕様に対応し、「(仮称)Gov-Cloud」にも積極的に対応する。

転入出手続きのデジタル化・マイナポータルAPI連携機能を強化したNEC スマート行政窓口ソリューション等の関連ないし新しいデータ駆動型行政をめざして住民情報システム保有データを活用するソリューション等、製品ラインナップも強化していく。同社はこれら住民情報システム関連製品について25年度までに400団体への提供を目標にしていて、上記ソリューションを第10回 窓口総合セミナーと、地方自治情報化推進フェア オンラインで披露する。