VPPの需要・発電予測にAIエンジンを活用

東日本大震災に伴い電力需給がひっ迫した。日本でも近年、大規模発電所(集中電源)に代わるしくみとして、モノのインターネット(IoT)技術等を活用して、需要家側に分散した小規模再エネ電源などを高度に管理し、需給バランス調整をする、仮想発電所(VPP)が注目されている。

再生可能エネルギーの普及/主力電源化やその先にある脱炭素社会の実現のためには、分散エネルギーリソースの活用が必要になる。それを安定的かつ効率的な新たなエネルギー基盤として活用していくためには、高精度の需要/発電予測が不可欠だという。日本ユニシスSRE HDおよびSRE AIPは今月、VPP構築実証事業において、人工知能(AI)を活用した需要/発電予測の実証実験を開始した。

同事業は資源エネルギー庁の令和2年度「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」に係る補助事業(執行団体:SII)であり、これにリソースアグリゲーターとして参画している日本ユニシス(ニュースリリースPDF)は、家庭向けリソース制御システムにおいて今回、SREグループとともに、同グループが開発したAIエンジンを活用する。

「実証モニター宅内の需要予測」、「太陽光発電導入モニター宅の発電予測」、「エネファーム設置モニター宅での発電予測」について、SaaS型AIクラウドサービスの開発・運用を通じ磨き上げてきた技術・経験を活かしてSREグループが電力業界向けに新開発した、大量入力データに対する高速・高精度の需要/発電予測アルゴリズムを利用する。

毎日学習を繰り返すことで、季節変動及び個々の需要家の生活パターン変化を考慮した予測を行う。来年2月までの約3か月間、VPP構築実証事業に協力するモニター宅内で上記予測モデルの精度を検証し、日本ユニシスによるリソース制御サービス提供時の実装を、3社共同で目指していくという。