新都心で防災チャットボットを実証、官民連携災対ドリルにて

商業施設やオフィスが立ち並ぶ大きな街では、大規模な災害発生時に数万人規模の帰宅困難者が発生すると想定される。帰宅困難者の発生やパニックを防止するために、タイムリーかつ効率的な情報共有と避難誘導が必要になるという。

ウェザーニューズは今月17日、JR東日本が運営する「モビリティ変革コンソーシアム」にて、行政機関、商業施設、交通事業者などの参加企業10社とともに、駅を起点とした災害に強い街づくりを目的として、幕張新都心でSNSを活用した対話型災害情報流通基盤システム「防災チャットボット(SOCDA)」を用いた実証訓練を実施した(SOCDA解説:情報通信研究機構DISAANAウェブ)。

上述の課題解決に向けて、海浜幕張駅周辺の企業が協力した。訓練では、同駅を中心とした行政機関、商業施設、交通事業者などが「防災チャットボット」を通して、施設の被害状況、帰宅困難者受け入れ可能な一時滞在施設の開設・収容状況を共有した。同施設に関する情報や避難状況を事務局でリアルタイムに把握し、帰宅困難者役の人たちとも共有できた。同ボットが帰宅困難リスク低減の一助になることを確認できたという。

幕張新都心が本拠の同社は、「一時滞在施設受け入れ情報集約機能」を新開発してボットに実装した。コロナ対策でリモート実施した今回の訓練は、平日夕方16時に最大震度6強の千葉市直下地震が発生した想定で行い、上記成果が得られた。「防災チャットボット」はこれまで自治体と市民間、近隣住民同士の災害時コミュニケーションツールとして実証を重ねてきた、このたび初めて、帰宅困難者が避難場所を探すツールとして活用された。

将来的には適切なタイミングで避難行動を促す「避難支援機能」との組み合わせで一時滞在施設の推薦まで行う、ツールが帰宅困難者を効率的に受け入れ可能な避難施設に誘導するよう、同社は「防災チャットボット」の改善を続けていく構えだ。