そのため、ASIL(自動車安全規準レベル)A~Dが、国際標準化機構の自動車用機能安全規格ISO26262で識別されるリスク水準――後方灯、ヘッドライトやクルーズコントロール、アクティブサス、ABSやエアバッグといったセーフティ関連電気・電子システムの機能不全に起因するハザードへの4段階の要求レベルとして、ASIL Dを最高位として各レベルが定義されている。
今月17日、ルネサスは、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムに向けて、車載用SoC(システムオンチップ)のR-Carとして最高性能を誇る「R-Car V3U」を発表した。この製品は同日よりサンプル出荷を開始し、23年第2四半期からの量産を予定しているとのこと。
R-Car V3Uは、最も厳しい安全規準であるASIL D向けのSoCであり、最大60TOPS、96,000DMIPSの性能を達成し、ディープラーニングを用いた車載カメラ画像の物体認知、レーダやLiDARとのセンサフュージョン、走行計画の立案から制御指示まで、1チップで自動運転のメインプロセッシングが実現可能だという。
専用エンジンの共通化を図り、ソフトウェア資産の流用が可能なスケーラブル・アーキテクチャを採用している、R-Carの最大の特長を活かした今回の新製品により、ユーザは、従来のR-Carファミリ用ソフトウェア資産を活かしつつ開発負荷を軽減できる。RH850など他のルネサス製品、ADASや自動運転用ECUに必要なコンポーネントと組み合わせて、さらに効率的な開発が可能になる――。