次世代XR店舗の実現に向けて、まずはローカル5Gを実証

超高速・大容量、超低遅延、同時多数接続を特徴とする第5世代移動通信規格(5G)の実用化が、さまざまな産業および社会のしくみをより良い方向に変えていくと期待されている。現在、日本においては大手通信会社(キャリア)による高速大容量5Gサービスが始まったばかりだ。

そんな中、顧客により便利かつ安全に銀行サービスを利用してもらうために、常に最新技術の取り込みを検討――通信インフラを大きく変えるだろう5Gの活用も、その一つの柱だという。SMBCグループと、三井住友銀行日本総合研究所NECは今月11日、5Gを社内通信に活かす共同実証実験の実施に合意し、ローカル5G用無線局の免許申請手続きを開始した(ローカル5G解説:総務省PDF)。

高速・大容量、低遅延な5Gの有用性を店舗運営、顧客サービスの拡充にて検証していく。同グループでは今回、先ずはローカル5G環境を構築する。NECが5Gネットワーク機器(コア、基地局、端末等)を提供し、ローカル5G検証環境を整備する。当面は同環境において、5G規格本来の特徴を活かしたコンテンツ・サービスの検証を進める予定だという。

実証実験の結果を踏まえて行内の働き方改革を推進する。VR/AR(仮想現実/拡張現実)の利活用により、新たに人が集まれる場所や一層リフレッシュでき集中力が高まる場所を構築するなど、健康的で快適な次世代オフィスの検討も進めていく。次世代勘定系システムで構築するAPI基盤と5Gネットワークを活用し、新たな商品・サービス開発を進展させることも考えている。

将来的には全国の拠点にキャリア5Gによる通信網を配備し、高度なVR/ARによるUX(ユーザーエクスペリエンス)を達成する。顧客への新たなサービスの提供、デジタルサイネージの高度化、店舗内カメラ映像のAI解析による混雑・待ち時間の解消や、不正行動の検出といった仕組みの実現を検討していくという。