配車配送計画を自動で最適化する、システムエンジンが始動

現代社会は物流に支えられている。様々な生活様式と働き方が普及しつつある昨今、物流基盤には多様性や複雑性への対応、人々の利便性向上につながる適時性などが期待されているものの、少子高齢化という社会的課題を抱える日本において、物流業界は人手不足等に悩まされている。

深刻なドライバー不足の解消や、法規制に則った適正な乗務員管理・安全運行管理、配送の効率化などによる働き方改革の推進が課題となっている。同業界では、それらの課題を解決するための1つとして、乗務員の業務負荷を均等にし、交通状況を加味した、より実態に即した実践的かつ効率的な配送計画が求められているという。

NECソリューションイノベータは今月10日、自動配車最適化エンジンを機能強化した輸配送管理システム「ULTRAFIX/配送計画」の提供を開始した。同システムは、地理的条件や時間指定など物流上の複雑な制約を加味しながら、最適な配車・配送計画の立案を支援するしくみだ。このたびの機能強化では、これまでのエンジンに独自のアルゴリズムを追加することで、「平準化配車による乗務員の負荷均等化」を実現。

車両の稼働時間を均等にする配車計画の立案を可能にする。独自アルゴリズムにより、稼働できるすべての車両に均等に配送を割り当てる配車の平準化に対応した。これにより、ユーザーは、ばらつきのあった配送の割当を均等にすることができ、配送業務の負荷均等化に加え、長時間残業の抑止、働き方改革の推進を達成できる。

さらに今回、道路交通情報通信システムセンターの渋滞情報(VICS統計情報)を利用し、曜日や時間帯ごとの情報から、より実態に即した配車計画を立案できるようにした。「ULTRAFIX/配送計画」は、無理な配車計画を防ぐとともに、配送時間指定の順守率アップを支援するという。同社は今後も、多様化するニーズに対応し、物流にかかる課題の解決に貢献していく考えだ。