2020年の北極海、海氷域は史上2番目の小ささとなった

近年、北極海で生産された液化天然ガスのLNG船による輸送が活発になっている。北極海航路の定常的な利用も進んでいて、アジアから欧州へ航行する場合、同航路の距離はスエズ運河経由の約2/3、喜望峰経由の約1/2 となる。

そのため、航海を通じて輸送費用だけでなく、CO2の排出量も削減することができる。北極海の海氷域面積は毎年2〜3月に最大、9月に最小になるという。ウェザーニューズグローバルアイスセンターは今月9日、2020年の北極海の海氷に関するまとめを発表――。今夏の北極域は記録的な暑さとなり、ロシア近海を中心とした海域の海氷が例年以上に顕著に融解したとのことだ。

北緯70度以北の平均気温は5月・7月・8月観測史上最高、6月は観測史上2番目の高さを記録(コロラド州立大学)。ロシア極東のベルホヤンスクでは6月に観測史上最高の約38℃となった。この高温域は北極海ロシア沿岸にも広がり、そこにある海氷の融解を早めた。7月には北極海上でも高温傾向が強まり、スバールバル諸島のロングイェールビーンにて1979年の観測開始以降最高となる21.7℃を測定した。

そして8月2日、北東航路(ロシア側)が史上最速で開通した。前日に超小型気象・海象観測衛星「WNISAT-1R」が撮影した画像では、北極海ヴィルキツキー海峡周辺の海氷がないことが確認できた。9月に観測された北極海海氷域の年間最小値は355万㎢で、これは観測史上2番目に小さい面積であった。

今シーズンの北極海航路の開通期間は、北東航路がこれまでで最長の88日間。北西航路(カナダ側)の開通はなかったという。同社は9年前から北極海を航行する船舶の安全運航を支援する「Polar Routeing」サービスを提供していて、今年は6航海をサポートし、スエズ運河経由の航行との比較で、約3600t-CO2(25mプール3600杯分)の削減に貢献したとのことだ。