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AI技術で日射量予測を高精度に、電力市場をサポートする
上記制度改定により、インバランス発生時のペナルティがより厳格になるため、各電気事業者では、需要や発電量の予測精度の向上による損失リスク低減ニーズが高まっている(関連資料:経産省PDF「需給調整市場について」、同省PDF「2022年度以降のインバランス料金制度について(中間とりまとめ)」)。
電力需要予測や太陽光発電量予測の精度向上には、もとになる気象データの予測精度が重要になるという。ウェザーニューズは今月3日、気象データ×最新技術により顧客DXの推進およびビジネス課題の解決に寄与するウェザーテックサービスにおいて、電力市場向けの気象データセット「WxTech® for Energy」を発売した。
顧客企業システムとの連携が容易で、今冬は2ヶ月間無償提供される。同データセットでは、気温、気温EPI(エラーポテンシャルインデックス)、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量、風向、風速、降水量、天気など、様々な気象要素の予測データをピンポイントで取得することができる。最もニーズのある日射量について、機械学習を用いた「日射量予測モデル」を開発して15%の精度改善を確認した。
日射量、気温、風速の新たな予測手法を検証し、年間を通してMSM(気象庁)の予報より精度が高いことがわかったという。同社は、電力市場向けに独自開発した「全天日射量EPI」と「気温EPI」を含めて、電力需給計画に必要なデータをパッケージ化――なかでもこれら2つの指標は、日射量と気温に関する予測値の上限と下限の誤差幅(ブレ幅)を把握することで、効果的なリスクヘッジを可能にするという。