情報通信
高速道路とバイパス付近の波高を自動遠隔監視、越波を警報する
東名高速道路(由比付近)や西湘バイパスは、台風や低気圧接近時には堤防を越えてくる波(越波)の状況を監視し、通行止めにするなどの対策が必要になる。これらの道路では、施設の保全管理を担当する職員が現地に向かい、越波の頻度や規模、飛来物の状況を自分の目でみて確認し、それらを見張ることで、最適な通行規制を実施している。現在の仕組みでは、ドライバーらの安全を守れても、監視員の危険を伴うという。
ウェザーニューズは、NEXCO中日本とともに、「イノベーション交流会」(関連記事)において、11月より画像解析技術を用いた「越波リモート監視システム」の実証実験を行っている。現地監視員およびリモート環境における監視業務の省人化・省力化を目的とした、同システムは、現場スタッフが直接監視している越波の発生状況を、AIを導入した画像解析技術を用いることで、より効率的に発見する新たな仕組みだ。
ライブカメラと通信環境があれば、どこでも低コストで解析可能となる。今回、現地のライブカメラ画像から東名高速道路(由比付近)、西湘バイパス付近の波の大きさや越波の有無を自動監視・検出することで、効率的な状況把握を実現する。越波規模に応じてアラート通知することで、リモート環境における監視業務の省力化も目指す。
来年3月までAI画像解析の精度検証を行い、3月~6月にシステム開発、7月から試運用する計画である。「越波リモート監視システム」は、ウェザーニューズが開発を担当し、NEXCO中日本とともにその有効性について検証していくという。両社はこれからも協力し、安全・安心な高速道路空間の提供を目指していく考えだ。