ローカル5Gで集合住宅インターネット環境を高速無線化する

超高速・大容量を特徴とする第5世代移動通信の商用サービスが日本でも始まった。大手キャリアが順次全国展開する5Gとともに今、地域や各産業のニーズに基づいて小規模な5G通信環境を構築・自営する、「ローカル5G」への期待が高まっている。

関西一円に張り巡らされた独自の光ファイバーネットワークを活用し、「eo」ブランドにて、戸建ておよび集合住宅向けにネット・電話・テレビのサービスを提供している。 そこで多くの人や世帯が共通のエッジ通信基盤を利用する、集合住宅向けのサービスにおいては、建物の外まで引き延ばした光ファイバーの幹線から、各フロアの顧客宅までの区間(ラストワンマイル)を有線接続する必要があるという。

オプテージは、集合住宅向けインターネット接続サービスの更なる発展の可能性を調査するべく、来年2月にローカル5Gの実証実験を大阪府茨木市にて開始する。ローカル5Gの技術的条件(参考:総務省PDF)に準拠した「実験試験局」にて、上記ラストワンマイルをローカル5Gで無線化し、電波特性や通信速度の評価およびネット・電話・テレビのサービス品質を実証する。

今回の検証は、高速通信が可能なミリ波(28GHz帯)を用いて実施。同周波数帯のローカル5Gを活用した実フィールド環境における、実音声の伝送、8K映像の上り方向の伝送および5G用レピーターによる中継伝送(DXアンテナ、スリーダブリューと共同)の実証は日本初となる見込みだという。

eoのラストワンマイルをローカル5G無線化し、サービス品質を維持しながらさらに高速大容量の通信を提供、引き込み工事の不要化、サービス開始までの期間短縮、工事費の低減等をめざす。次年度以降、商用化を検討していくという。同社は今後もローカル5Gなどの最先端技術を用い、新たな高品質かつ低価格のインターネット接続サービスを提供できるよう、さまざまな可能性を探究していく構えだ。