持ち運べるIP電話交換機×ソフトフォン=災害時通信または3密対策

地球が怒っているかのごとく、大自然が人間社会に猛威をふるうことが増えた。近年、日本においては、地震や台風などに被災し通話等ができない――広範囲にわたる通信障害の発生事例が多発していて、非常時に必要な通信手段の円滑な確保が、自治体や企業などで喫緊の課題となっている。

新型コロナウイルスの脅威にさらされている昨今、その感染症対策として避難所内の3密回避も考慮する必要が生じている。そこで、災害時に被災地の避難所等へ搬入して迅速に通信ネットワークを復旧させられる可搬型IP通話システムを提供しているNTT-ATと、ソフトフォン(通話アプリ)を提供しているageetは、前者の「ポータブルIP-PBX」と後者の「AGEphone Cloud®」を連携させた災害時通信確保ソリューションを今月1日に発売する。

今回の連携により、企業内の内線で多くの利用実績があるAGEphone Cloudは、ポータブルIP-PBXからダウンロードできるソフトフォンのラインナップに追加された。ユーザー企業・地方公共団体においては、被災地などでインターネットに接続できない環境でも手持ちのスマートフォンによるエリア内線通話や外線通話が可能になる。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を踏まえた災害対応が求められる状況下でも、これを避難所など利用してもらうことで、被災された人たちはWi-Fiエリア内で場所を選ばずに手持ちスマホを使って通話できる。災害時通信確保ソリューションは、電話の順番待ち、3密や共用機器への接触を回避する一助になるという。

ポータブルIP-PBXからAGEphone CloudをダウンロードできるのはAndroidスマホのみで、iPhoneの場合は予めネット接続環境でApp StoreからAGEphone Cloudを導入していれば、ポータブルIP-PBXから発信通話が可能とのことだ。