資材のスマート入出庫、管理をマーカー測位技術で一層高度に

製造企業の倉庫およびものづくり現場では、部品や原材料を種別ごとに保管している。それら資材の管理においては、生産量に準ずる物量(在庫)変化への対応や、製品切替時の保管スペースの確保が求められる。

保管スペースが不足した場合には倉庫内の空きスペースを一時保管場所として利用することもある。複数の資材が混在するなかで、所要資材を適時かつ迅速に見つけられないことが課題となっている。工場や倉庫等では、資材の位置情報の可視化が必要になっているという。ナ・デックスNEC通信システムは、資材の位置情報を高精度で把握し可視化する「マーカーロケーションシステム」を共同開発した。これを12月1日よりナ・デックスが販売する。

「マーカーロケーションシステム」は、ナ・デックスのスマートマテリアル管理システム(入出庫管理)と、NEC通信システム製のマーカー位置測位ソフトウェアにより、入庫した資材を自動的に認識し、そのロケーションを自動的に関連付けることで、資材の種別ごとに保管スペースを確保する必要のない"フリーロケーション化"を達成する。取り扱いやすくメンテナンスも容易、屋内外でシームレスに測位可能といった特長も備えている。

壁面や柱、資材等に取り付けたマーカーを撮影し、資材の位置を高い精度で測定して入庫ロケーションを自動識別する。資材入庫数量をデータベースにして、タイムリーな在庫管理を実現する。これにより顧客は、種別ごとの保管スペースの設定なしに、どこにどの資材が保管されているかを可視化し、出庫指示をフロアマップにて出来るようになる。種ごとの保管エリア確保を不要とし、空いている保管スペースの有効活用が可能になるという。

両社は今後、マーカー測位技術を応用し、AGV・フォークリフト・作業者など移動体の導線管理や、導線+運搬荷物情報といった連動――適応範囲を広げるアプリケーションの開発・検証を行っていく構えだ。